元居酒屋店長オーストラリアへ

日本の居酒屋でアルバイトから店長になりました。その後、オーストラリアのシドニーにワーキングホリデーで滞在しレストランでの仕事を経験しました。コロナウイルスよる影響で帰国を決断しました。私のホスピタリティ人生の記録です。

飲食業と製造業は似ている⁉③司令塔が大事

こんにちは!日本で居酒屋の店長として働いた後、

オーストラリアでワーキングホリデーをしていました、Haruと申します。

 

2013年~2018年 日本の居酒屋でアルバイト→店長に

2018年~2020年 オーストラリアにてワーキングホリデー。

日本食レストランでアルバイト。

2020年~ 派遣社員として製造業の企業で生産管理業務

 

という経歴の中で、製造業と飲食業の共通点で気づいたことをまとめています。

①どちらも在庫管理が大事

飲食業と製造業は似ている⁉①どちらも在庫管理が重要 - 元居酒屋店長オーストラリアへ

②飲食業リードタイムの短い製造業の一種

飲食業と製造業は似ている⁉②飲食業は製造リードタイムの短い製造業 - 元居酒屋店長オーストラリアへ

という内容をまとめてきましたが、

 

生産管理業務に携わるようになって、”司令塔が大事!”ということに気づきました。

 

 

営業が仕事をとってくる

製造

 

の間にはその製造を行う為に計画が作られます。

お客様と約束した納期までに材料を調達し、誰がどのポジションで作業するのか?

複数ある製品をどのように効率よく製造するか?

 

という計画を立てる人が専門でいるかと思います。

 

 

では飲食店においては?

 

 

お客様からオーダーをとる

キッチンで調理

 

 

の間に、”司令塔”がいるお店って、なかなかないのでは?

私が経験してきた中ではありませんでした。

”デシャップ”というポジションがあったとしてもきちんと機能しているお店はほとんどなかったように感じます。

 

お店規模にもよると思いますが、ホールスタッフはそれぞれ気を利かして注文を取ってきて、

キッチンスタッフは経験をたよりにオーダーをこなしていく

 

経験値の高いスタッフで、かつスタッフ同士の連携がうまくいっていれば(特にホール⇔キッチン)司令塔はいなくても良いかもしれません。

 

ただし、そうでない場合が多いと感じます。

 

新人のホールスタッフが忙しいときに時間かかるオーダーを取ってきて

ベテランのキッチンスタッフが「こんな忙しいときにこんなオーダーとりやがって!」とキレる。

 

これってかなりおかしくない?と常々思っていました。

 

メニューにある限り、どんなに忙しくてもお客様からオーダーされたら

いつも同じレベル、同じ時間で提供するべき

 

というのが私の考え方です。

(物理的に無理ならそんなメニューはやめるべき、くらい思います。)

 

 

どんなに素敵な空間も、立派なサービスも、美味しい料理も

 

「いつも高いレベルでおいしい」「待たせすぎない」

 

という基本の上に成り立つものだと思うのです。

 

 

そこで、重要なのがホールとキッチンをつなぐ”司令塔”だと思います。

飲食店も製造業の一種であると考える以上、「製造計画」は重要です。

 

今、3組のお客様がいらっしゃいました。

グループAはすぐにオーダーをして「枝豆、卵焼き、焼き鳥、おでん、ホッケ焼き、揚げ出し豆腐」を注文しました。

すぐ後にグループBは「枝豆、から揚げ」を注文しました。

グループCは少し悩んで「親子丼、味噌汁」を注文しました。

 

オーダーがABCの順に流れてきたからと言って

グループAのオーダーを全部作って、次にBを作って、次にCを作って提供する、

 

なんてするはずはない、というのは感覚的にわかると思います。

むしろこの場合は、ABに枝豆を出したら最後にオーダーのあったCの親子丼を作るさえあると思います。

 

単純な例ですが、実際の現場はもっと複雑です。

同時にもっと多くのオーダーが流れてくるし、居酒屋ならゆっくり飲みながらつまむお客様もいれば夕食代わりに食事メインのお客様もいるでしょう。

 

キッチンからホール全体が見渡せるお店なら、料理長がお客様の様子を見ながらキッチンスタッフに指示を出して、なんてよく見かけました。

かっこいいな~と。自分も調理をしながら360度に目がついているように

適切に指示を出し、かつお客様ともコミュニケーションをとる。

 

これができるようになるにはかなりのセンスと経験必要なんだと思います。

 

オーダーが入ったときに、

どのオーダーを、どの順番で、誰が(どのポジションが)作るのか

同じオーダーは何個一緒に作れるか

というのを瞬時に判断して適切に指示を出す司令塔を、

飲食店はもっと重要視して良いのではないでしょうか。

 

製造業と異なるのは、オーダーが入って作った調理計画はどんどん変わるということでしょうか。

もちろん、製造業でも臨機応変に対応するとは思いますが、

飲食業は、先の例でいえば、グループAの「枝豆、卵焼き、焼き鳥」を出したあたりで、お客様の箸が進んでいないことに気づいた。

(美味しくないとか、そういうのではなく久しぶりの旧友との再会で話が弾んでしまってとか)

そしたら、当初の計画よりゆっくり目に調理するなど、その時その時の状況によって変えていく必要もあると思います。

 

早ければ早いほど良いというものでもないはずです。

 

飲食店はわりと個々の能力に頼りがちで、忙しかったり、人手不足だったりしても「頑張る」でなんとかなってしまうというか、なんとかしてしまう人が多いと思うのですが

 

忙しくて人手不足な時こそ、整える、というのが大切で

ホールとキッチンをつなぐ司令塔は

お客様の様子をよく見て、コミュニケーションをとって判断する力

どの料理がどのように作られていてどのくらいかかるのか

というのを理解する必要があると思っています。

 

とはいえ、これを目指していたけどなかなか簡単に身につくものではなかったなあ

と振り返っています。

 

 

一旦飲食業を離れて、製造業でシステマチックに生産管理業務を学ぶ中で、

これは飲食業にこそ必要な力だと思ったので、まとめてみました。